活動について

2019.02.12

学術専門講座「肩関節の臨床ニーズと医工学の取り組み」

 

昨年の秋に開催予定でしたが、台風の影響で延期になっていた学術専門講座が、平成31年2月9日(土)、16時より大阪柔整会館5Fホールで開催されました。

寒気が南下し、今季一番の寒さの中、定員を超過する状況で、多くの先生方の参加がありました。

演題は「肩関節の臨床ニーズと医工学の取り組み」として、信原病院・バイオメカニクス研究所の工学博士、田中 洋 先生をお招きし講演頂きました。

田中先生は、医師ではなく工学系のご出身ですが、バイオメカニクス研究所では副所長を務めておられ、工学的手法を用いて整形外科医、理学療法士、放射線科、看護師の研究のプランニングに携わっておられます。

バイオメカニクス研究所は人の行動と運動を数値化する目的で整形外科領域の臨床において大きく貢献している医工学の立場から、特に肩関節疾患の診療に対して生じた疑問や問題に対峙する研究機関です。

そこで得られた膨大な研究結果や導かれたデータの一例として、肩関節の拳上時のバイオメカニクスをビジュアルで示された資料をご提示くださいました。

例として、肩甲上腕関節部の関節窩中心に対する上腕骨頭接触部の軌跡を表したデータを正常時と腱板損傷時を対比して示された。この観察よりスムースな拳上運動への臨床応用の具体例が紹介された。

その後、野球のピッチャーの投球動作の研究に触れられた。

「肘下がりは実はそんなに問題はない」、「軸足をためるとかえってパフォーマンスが落ちる」、「キャッチャーミットを最後まで見てはいけない」など、今までの投球に対する指導の常識が実は考え直さなくてはいけないなどの興味深い話があったが、残念ながら時間が足りず、次の機会への持ち越しとなりました。

講演終了後も多くの質問があり、有意義な時間を共有することができました。

当日のビデオ撮影は先生のご要望により控えましたが、ここでは一部しか記載できないのが残念です。

実に興味深い内容にて、研究事業部としては是非とも次の講演を企画したいと思います。

研究事業部 高坂 忠志