活動について

2016.06.18

平成28年度 第1回専門講座 施術における総合鑑別力アップについて

6月18日(土)本会会館において、専門講座を開催しました。河井好照先生が司会をされ、ワークショップ形式で参加者の先生方とディスカッションされました。

症例Ⅰは92歳の女性で、受傷状況や患者さんの痛みの訴えや、皮下出血斑という現象の確認と叩打痛といった観察を行ったうえ、大腿骨頚部骨折を疑い救急搬送したにも関わらず、X線撮影では骨には異常がなく打撲と診断されました。しかし症状が改善しないため、翌日MRI検査を行ったところ大腿骨頚部骨折が判明したケースです。

症例Ⅱは4歳の幼児であり約1.5mの高さから転落したことしか情報がなく、号泣した状態で触れることも検査することも不可能な状態でしたが、ある検査法を母親に行って貰うことで鎖骨骨折と推測しました。しかし医科のX線撮影では上腕骨骨折のみと診断を受けましたが、経験則に則って鎖骨骨折の固定も継続したところ、5週間後に鎖骨骨折も判明したケースです。

症例Ⅲは足関節や足趾が動かないといった訴えがあり神経麻痺を疑いましたが、頭痛や全身の倦怠感、体重減少や感覚神経異常などから総合診療科の受診を勧め、自己免疫疾患であることが判明したケースです。

私達柔道整復師は、患者さんの症状や現象を推察し察知できる経験則と洞察力が必要です。また経験則とはただ経験したとか体験したというものではなく、裏打ちされた知性や知識に則った経験が礎になっていると思います。経験則から得た自身の確信を疑わないことが、患者さんとの信頼関係を構築するのではないかとお話され、講座を締めくくられました。

本会 研究事業部