ブックタイトル第11回 大阪学術大会論文集

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第11回 大阪学術大会論文集

学生現場における熱中症対策の実態~未来ある学生のために~アンケート調査表2○×でお答えください。1234567891011121314151617181920自分自身温度や湿度など気候を把握するようにしているスポーツドリンクをいつも用意している体調管理に気を付けている練習前、練習中の水分補給のタイミングを考え実行しているのどが渇く前に水分補給をしている吸湿性や通気性の良いウェアを心掛けている万一のときの対応を考えている製氷機の場所を把握している体調が悪いときは練習を休む部活動温度や湿度など気候を把握するようにしている部全体でスポーツドリンクが用意されているお互いのコンディションを把握しやすい関係づくりができている練習中に給水時間が設けられているメニュー強度に合わせて休憩時間は計画的に設定されている今までに熱中症を起こしたことがある人を把握している屋外練習のときはテントなど日陰のある場所が確保されている吸湿性や通気性の良いウェアを着るようにうながされているメニューは年齢の差、個々の能力の差を考えて組まれているメンバー同士で体調をチェックさせている体調が悪いときは練習を休める環境である図2■結果アンケート調査より、熱中症学習経験の機会のほとんどが校内にあり発症場面は部活動中に多く、熱中症を発症した場合、活動の中止・再開には適切な判断が必要となるが、対象90名のうち「活動中止のちに再開した」という回答が9%、医療機関への搬送は7%であった。現場レベルで熱中症発症対象に対する対応の認識不足があきらかになる結果となった。そして「個人レベル」と「部活動レベル」に分け「熱中症の予防意識・対策」について調査した結果、回答率の高い項目数で比較すると、学習経験の3群ではあり群に高い回答率がみられた。それに対して、発症経験の2群では、なし群に高い回答率がみられる。このことから、熱中症学習経験は「予防意識・対策」に反映されるものであることが示唆される。学習経験別3群の予防意識対策のアンケート結果をピックアップすると、個人レベルではスポーツドリンクを各自持参し、水分補給を行っていた。それに対し部活動レベルでは水分補給の時間は確保されているが、スポーツドリンクは準備されていない結果となった。このことから、水分補給は重要視しているが、効果的な水分補給までの知識は現場レベルで浸透していないのが示唆された。また、発症経験2群での「体調が悪いときは練習を休む」の項目では個人レベルでも部活動レベルでも、熱中症を発症してしまう対象は体調が悪いときに、練習を休まない傾向にあるということが分かった。■考察「熱中症の危険性」については冒頭の例のように後遺症が残ることや最悪の場合死亡することである。「現在の予防対策の実態」の問題点は学生の学習機会が充実していないこと、実際に発症者が出たときの適切な状況判断が不十分であること。そして部活動レベルでは予防対策が十分に行われていないということが調査結果より分かった。熱中症による被害を減らす活動として、学校内での学習機会をより多く設け、特に部活動所属の生徒に参加してもらうということが挙げられる。発症者に対しての状況判断は非常に困難であるので、発症前の段階で、予防・対策を講じるべきである。また、個人レベルでの対策だけでなく部活動レベル・学校規模での対策を講じることが必要であることが示唆された。■参考文献1)産経WEST「部活中に熱中症、脳梗塞発症し半身マヒで賠償命じる大阪」http://www.sankei.com/west/news/160524/wst1605240058-n1.html2)総務省報道資料平成28年の熱中症による救急搬送状況http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h28/10/281012_houdou_2.pdf3)日本体育協会熱中症を防ごうhttp://www.japan-sports.or.jp/medicine/tabid/523/Default.aspx02