ブックタイトル第11回 大阪学術大会論文集
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第11回 大阪学術大会論文集
大規模多施設臨床試験の必要性に関する報告柔道整復後療法に関するエビデンスの現状米国内科学会(ACP)と米国疼痛学会(APS)による腰痛管理のガイドライン(Chou R et al,.2007)(質の高い臨床論文から選定され作成)腰痛急性・亜急性腰痛症有効性のある治療法慢性腰痛症有効性のある治療法脊椎マニピュレーション運動療法表在熱の適応??手技療法(マッサージ)手技療法(マッサージ)高い治療効果鍼治療表在熱の適応認知行動療法脊椎マニピュレーション運動療法統計学的エビデンスを示した論文報告がない図2臨床試験における研究デザイン信頼性高い信頼性低い複数のランダム化比較試験のメタアナリシス少なくとも一つのランダム化比較試験少なくとも一つの非ランダム化比較試験少なくとも一つの他の準実験的研究コホート研究や症例対照研究、横断研究など分析疫学的研究症例報告やケースシリーズなどの記述研究専門委員会の報告や権威者の意見報告AHCPR(Agency for Health Care Policy and Research)米国医療政策研究局, 1993年図3そこで当研究室では、運動器系疼痛に対する柔整後療法の効果を明らかにする臨床研究を実施している。これらの臨床研究を積み重ねることが、運動器系疼痛に対する有効な治療法の標準化を構築することが可能となり、柔道整復として医療界における専門領域の確立が付加されると期待できる。臨床医療における柔整医療として確立するためには、臨床試験は非常に重要な手段であり、科学的エビデンスに基づいた柔道整復術を社会に提供することが、地域における医療と福祉の向上に貢献することに繋がると考える。平成26年に、当講座より文部科学省の諮問機関である大学評価・学位授与機構に本邦29番目の公式学問として柔道整復学を申請し、許可された経緯があるが、その際、柔道整復を「骨、関節及び筋肉等運動器系により発症する疼痛に対する保存的治療並びに高齢化社会に対する骨、関節、等運動器系の管理を行う専門領域を柔道整復という。」と定義づけた。超高齢化社会を向かえ、運動器系障害を抱えた高齢者が今後増大することが懸念される。運動器系に疼痛を有する高齢者は僅かな外力が加わることでも疼痛の悪化が進行し、寝たきりに陥りやすい。長期臥床はADLの不活性化をもたらし、廃用症候群による更なる運動器系疼痛の増大が懸念され、悪循環に陥る危険性が極めて高いことが報告されている。超高齢社会における運動器系疼痛に対する保存的治療を行う柔道整復師は重要な社会的役割を担うと期待されている。今後も臨床研究の必要性、重要性をご理解頂き、大阪府柔道整復師会の先生方のご協力を賜りますよう伏してお願いを申し上げます。最後になりますが、今回は発表の機会を戴けたことにあらためて、感謝を申し上げます。40