ブックタイトル第11回 大阪学術大会論文集
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第11回 大阪学術大会論文集
学生現場における熱中症対策の実態~未来ある学生のために~堤美沙、安田睦大阪ハイテクノロジー専門学校■キーワード熱中症対策、アンケート調査、学生現場■目的2016年5月24日、「部活で熱中症、脳梗塞も発症しマヒ残る」という記事が産経新聞に掲載されていた1)。当時は日本体育協会による熱中症の予防指針が広く周知されており、部活動を行う部屋に温度計を設置する義務が学校側にあった。しかし、熱中症を発症した生徒が活動していた体育館には温度計が設置されていなかった。背景や因果関係を考えると、熱中症とは現在の学生現場での健康管理のずさんさの象徴であるといえる。学校管理、学校環境とは無関係と思っていても実は身近に起こっているものである。各学校で熱中症対策は毎年行われている。しかしながら、熱中症による被害は後を絶たない。「総務省平成28年の熱中症による救急搬送状況」2)によると、平成28年5月1日から9月30日の期間で熱中症による救急搬送人員数の累計は5万412名にのぼる。そのうち59名が死亡。搬送者のうち6,548名は満7歳以上満18歳未満の少年である。熱中症は病院へ搬送しなくてはいけないケースがあり適切な状況判断と知識が要求される。先ほどの例のように後遺症が残ってしまうほどの重症は現在の学生レベルでは対応できないのだ。熱中症の予防・対策は簡単にできることも多い。熱中症の発症、重篤な病態に陥るなどは、「予防意識」と「対策方法」に問題があると考え、これらを解決すれば被害は減少するのではないのかと考えた。そこで、本研究は「学習経験の有無と機会」「発症経験の有無、場面、対応」「予防意識」「対策方法」についてアンケート調査し、「熱中症の危険性」と「現在の予防対策の実態」を知ってもらうことで熱中症の被害を減らすことを目的とした。■研究方法大阪府下の中高校生に、研究の目的と熱中症の症状と予防対策について説明し同意を得た上で無記名アンケート調査を行い、明確な回答を得た300名を対象とした。アンケート内容は1.学習経験の有無または不明。こちらの項目で熱中症の学習経験をあり群、なし群、不明群の3群に分け2.あり群の学習機会を調査。また、柔道整復スポーツ学科3.熱中症発症経験の有無をあり群、なし群の2群に分け、あり群に対して「発症場面」「発症時の対応」についても調査を行った。また、熱中症予防意識・対策を、個人レベルと部活動レベルに分け、学習経験3群と発症経験2群の各群により「予防意識・対策」に差があるのか調査した(図1、2)。アンケート調査表1該当する番号を○してください。熱中症学習経験の有無1.ある2.ない3.覚えていない上記で「ある」と回答したもののみ回答(複数回数あり)学習の機会はどこでありましたか1.学校での保健の授業2.学校内での講習会3.その他熱中症経験1.ある2.ない上記で「ある」と回答したもののみ回答(複数回数あり)発症場面1.部活中2.体育の授業中3.課外活動中4.その他発症時の対応1.活動を続けた2.活動を中止したが、すぐ再開した3.活動をやめた4.涼しい場所に移動した5.体を冷やした6.医療機関に運ばれた7.その他図101