ブックタイトル第11回 大阪学術大会論文集
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第11回 大阪学術大会論文集
メディカルハイドロバッグをもちいた関節整復PVL(脳室周囲白質軟化症)患者の著効した一症例について三雲大輔みくも整骨院■キーワードPVL、関節整復、ハイドロバッグ■はじめに■対象施術開始前PVLの発生部位図1PVL(脳室周囲白質軟化症)とは、低出生体重児の脳性麻痺の原因の一つとして、昨今の画像診断の進歩とともに確認されている病態で、早産によって起きる出生時の脳室周囲白質部の虚血、炎症、感染などが、大脳白質を中心に広範囲に障害を引き起こし、痙性麻痺を起こすと考えられている。その障害の範囲や状態により麻痺の範囲や程度も様々で、早期からのリハビリ開始が麻痺の回復には重要だと考えられている。今回は脳室周囲白質軟化症による対麻痺、体幹支持困難、左上肢運動機能低下の女児1症例に対して、柔道整復師として運動機能回復に取り組んだ結果とともに考察を踏まえて報告する。図2初検時(2016年11月)小学4年生女子児童出生時28週で体重1580グラム。低体重であること以外は、出生時の奇形や異常は確認されていない。その後、エコー検査でPVLと診断される。ボバース法によるリハビリ開始。精神的遅延もなく、リハビリを段階的に進めていた。小学校2年生のとき、痙性麻痺により股関節の内反、尖足位が強く、将来の下肢運動機能回復に妨げが出るという判断で、整形外科での股関節部の骨切り術の手術を受けたが、術後、下肢形状は整うも、今までできていた四つ這いでの移動ができなくなり、移動機能が著しく低下し、移動が困難になった。リハビリは継続しているが、対麻痺、体幹支持困難(座位ではベルトによる体幹部3ヶ所、大腿部固定、足関節装具固定。自立座位保持、起座動作、立位保持、歩行は不能。四つ這いになれるが、移動が困難)、上肢運動機能低下(特に左肩関節の挙上、肘関節の回内屈伸、手関節掌背屈、指関節緻密動作)、若干の斜視を認める。ここ数年は大きな改善もなく年齢だけが上がるにつれて不安が大きくなっていた。ご家族の強い希望で、自立した日常生活活動が一つでも増えるようにと、柔道整32