ブックタイトル第11回 大阪学術大会論文集

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概要

第11回 大阪学術大会論文集

ラット腓腹筋における伸張性収縮中および温熱・寒冷刺激時の血行動態および温度変化1金田英貴、柳永善坪島功幸)2、浦川将)1、阿部浩明)1、児玉香菜絵)1、高本考一)、日整公認私的研究会柔整ひかり会生野支部金田整骨院(金田英貴)/吹田支部みらい鍼灸整骨院(柳永善)田口徹3)、酒井重数1)、小野武年1)、西条寿夫1)1)富山大学大学院医学薬学研究部システム情動科学講座2)広島大学大学院医歯薬保健学研究科運動器機能医科学研究室3)新潟医療福祉大学リハビリテーション学部理学療法学科■キーワード遅発性筋痛、温熱刺激、寒冷刺激、筋血行動態、筋温■Abstract背景・目的筋痛に対する柔道整復後療法は、接骨院・整骨院において日々行われており、ホットパックやアイスパックによる温冷罨法がある。本研究では、遅発性筋痛に対する温冷罨法の治療機序解明のため、ラット腓腹筋を用いて遅発性筋痛モデルを作製し、続いて温熱・寒冷刺激を適用して、腓腹筋の血行動態および筋温等を計測した。考察本研究では、伸張性収縮中に筋温とOxy-Hbが上昇していることから、筋における代謝亢進が示唆される。一方、我々の以前の研究により、温罨法は鎮痛作用があるが冷罨法はないことや、メタボローム解析より温罨法では有意な変化が認められていることから、これら生理学的動態の差が鎮痛に関与することが示唆された。方法8週齢のSD雄ラットを用い、ペントバルビタール麻酔下にて左腓腹筋外側頭に対して伸張性収縮を行った。伸張性収縮では、腓腹筋外側頭の支配神経である脛骨神経近傍に刺激電極を刺入し、単収縮閾値の3倍の電流強度の通電によって筋収縮を誘発すると同時に外力により筋を伸張させた。以上の1回4秒間の伸張性収縮サイクルを500回繰り返した。伸張性収縮終了直後より、ラットを1)ホットパック貼付による温熱刺激群(42℃-20分間)、2)アイスパック貼付による寒冷刺激群(10℃-20分間)、および3)温冷刺激のない対照群に分け、近赤外分光法(NIRS)およびサーモグラフィー等にて、腓腹筋の血行動態や筋表面温度変化を同時計測した。結果伸張性収縮運動により、腓腹筋表面温度(筋温)が有意に上昇し、その後温熱刺激によりさらに筋温が上昇したが、寒冷刺激では逆に筋温が低下した。一方、酸化ヘモグロビン(Oxy-Hb)は伸張性収縮により有意に上昇し、その後の温熱刺激によりOxy-Hb上昇が維持されたが、寒冷刺激および対照では低下した。31