ブックタイトル第11回 大阪学術大会論文集
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第11回 大阪学術大会論文集
膝蓋骨横骨折の遷延治癒に対するアプローチ平成27年8月8日3・4・6・8日の4回の処置で膝崩れ現象が消失したため、患者本人も膝崩れ現象が膝蓋骨骨折の影響でないことを納得する。その後経過良好にて来院が空く。平成27年9月11日X線検査で表層の遷延治癒部に仮骨形成を認めたため、同意医師から治癒と判定を受ける。平成27年9月11日図3■方法1膝蓋骨周辺に沿ってリング副子を当てる。2膝蓋骨前面から綿花を当てる。3エラスコット帯にて圧迫包帯を施行する。4膝関節伸展位歩行ではなく、通常歩行を指導した。図4図5■考察通常歩行することにより膝関節が軽度屈曲位になった際に、前方より綿花枕子による圧迫がかかることで、遷延治癒部に圧を加えることを最重要課題とし、ピエゾ効果による骨癒合を図った。また歩行中に膝蓋骨が上下移動した際も、前方から常時圧がかかるようにするため、リング副子で綿花枕子が移動しないよう試みた。通説の膝関節伸展位歩行は膝蓋骨骨折部表層の離開応力を抑止する目的であると考えられるが、前述の処置を行うことで膝関節屈曲時でも前方からの圧を加えるにより、骨折部表層の離開応力を抑止できることが窺えた。また骨癒合には何ヶ月もの経過観察を必要と指導を受けたが、前方からの圧を加えることで骨折部にピエゾ効果が働き、短期間で骨癒合が得られたと考察する。固定は静的な安定を求めて施行されるが、動的に安定させることが骨癒合までの期間を短縮できるのではないかと推察できた。15