ブックタイトル第10回 大阪学術大会 論文集

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概要

第10回 大阪学術大会 論文集

高校女子サッカー選手に発生した大腿骨頚部疲労骨折の2例症例2:18歳、高校3年生、女子サッカー部、FW主訴:左股関節前面部の痛み既往歴:特記すべきことなし身長:156cm体重:53kg BMI:21.7右利き現病歴:2015年6月30日、サッカーの練習中、左股関節痛を覚えた。左内転筋付着部炎と判断し、症状の寛解と増悪を繰り返しながらも競技を継続していた。9月の大会シーズンに入り、練習内容がハードになったため、症状が増悪した。利き足は右。ほぼ毎日2.5時間の練習量であった。精査を希望し、9月16日、当院を受診した。初診時現症歩行痛、荷重痛を認め、跛行を呈していた。下肢知覚と腱反射はNormalであった。股関節運動痛を内旋で認めた。Hip anterior impingement testは陰性であった。Positive standing signを認めた。圧痛を左スカルパ三角と恥骨に認めた。以上より、左恥骨疲労骨折と考え、運動を中止し整形外科へ対診依頼した。X線検査にて恥骨の異常所見を認めなかったが、左大腿骨頚部下方に骨膜反応を認めた(図2a)。MRI検査にて恥骨部の異常所見を認めなかったが、左大腿骨頚部に輝度変化を認めた(図2b)。1週間後、大腿骨に焦点を絞り再検査を行った。X線検査にて左大腿骨頚部下方に骨膜反応を認めた(図2c)。またMRI検査にて同部にT1 low・T2 highの輝度変化を認めた(図2 d)。画像所見より左大腿骨頚部疲労骨折と診断された。typeは、Devasのcompression type、stageは、早期から中期と考えられた。保存療法適応と判断した。全荷重のもと、リハビリテーションを開始した。5日間の運動中止の後、6日後からwalkingを開始した。生理不順を認めるため、対診先整形外科で骨粗鬆症検査を実施したが、異常所見を認めなかった。経過5週経過時点で、荷重痛は認めず、ホップテストは陰性であった。股関節運動痛は認めず、股関節内旋時に股関節前面に違和感を覚えるのみであった。X線検査で大腿骨頚部下方に仮骨形成を認めたため、競技復帰を許可した(図2e)。2016年6月現在、症状の再発はなくサッカーを続けている。競技休止期間は約3週間であったが、症状出現から治癒までの期間は約4か月間であった。9月28日(初回対診時)X線画像:恥骨に輝度変化は認めなかったが、左大腿骨頚部に骨膜反応を認めた。図2a9月2 8日(初回対診時)MRI画像:恥骨に輝度変化は認めなかったが、左大腿骨頚部に輝度変化を認めた。図2b47