ブックタイトル第10回 大阪学術大会 論文集
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第10回 大阪学術大会 論文集
第2趾足基関節骨果斜部骨折の(SEF固定法Stageを考Ⅱ)の察し工保夫存した1療法症例~伸縮性テーピングのみで骨折部に回旋と牽引力を加える方法~樋口河井正宏好照公益社団法人大阪府柔道整復師会西成支部/河井整骨院東淀川支部■キーワード伸縮性テーピングによる牽引、無整復、荷重、足部横アーチ、動的安定■緒言足趾の骨折に関しては成書においても散見する程度で、発生機転や症状について記載されているものの、固定法や経過について記載されていないことが多い。本症例の自身の体験例では、直達牽引を受けた患者の後療を依頼され拘縮が強く難渋し苦慮した経験から、シーネ等による固定は行わず、伸縮性テーピングのみで末梢牽引しながら固定し、歩行可能な方法を模索した。基節骨の斜骨折や螺旋骨折ではオーバーラッピングを発生させ、最終では機能障害を惹起させる可能性があるため、持続的末梢牽引により骨軸を揃え、骨折面の接近を目的として回旋応力を加えるテーピングを施行した。また、骨折においてはしっかりとした固定を施さなければならないという固定概念があるが、今回発案した固定方法では日常生活に支障がない状態が送れることがメリットであった。さらに足部全体の機能を鑑みて、荷重することにより骨折部断端を接近させることと、ピエゾ効果を高めることを目的とした。■症例報告性別男生年月日昭和62年1月13日生職業キックボクサー受傷日平成27年2月22日初診日平成27年2月23日原因キックボクシングの試合で相手をキックした際に、相手の肘を蹴ってしまい負傷する。その後、ホワイトテーピング固定を行い試合を続行した。指摘を受け、回旋応力が逆方向であったことが判明する。(テーピングにて末梢牽引と逆回旋応力を加え、足底からパッドを当て横足アーチの保全を図る)3月1 6日X線検査にて骨軸が揃い、化骨の出現を認める。3月2 6日経過良好であるため末梢牽引を中止し、第1・2趾のみの固定とする。4月7日固定を除去し拘縮の治療を開始、4月20日治癒とする。■本症例におけるインフォームドコンセントのポイント?骨軸が揃わなければ手術による対応も必要であること。?骨癒合した場合でも、基節部での横径および前後径の増大を見る可能性があること。?オーバーラッピングした場合は、回旋異常という機能障害を残す可能性があること。?拘縮が強度な場合は屈曲障害を残す可能性があること。■方法(2月23日)1 X線像から推察し、末梢骨片に持続的な末梢牽引と、回外応力が加わるようなテーピングを施行する。3月9日のX線検査の結果、第1趾が低いため末梢牽引の応力が不十分であったことと、回旋応力が逆であったことが判明した。平成27年2月23日■経過2月23日施術開始(テーピングにて末梢牽引と回旋応力を加え、動的に固定する)3月9日X線検査にて化骨は出現しておらず、また骨軸のズレの図128