ブックタイトル第10回 大阪学術大会 論文集
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第10回 大阪学術大会 論文集
Effect of vibration on the two-point discrimination threshold遠隔振動刺激が触2点閾に及ぼす効果■実験2手背部全体に加えた振動刺激が,遠隔部である第2指手掌部での触2点閾に及ぼす効果について検討した.方法被験者は男性12名(年齢25±0.85歳)で利き手が右の男性.2点閾測定に使う装置は実験1と同様のデジタルノギスを使用した.手背部全体に加える振動刺激の振動子にはWiiリモコンを使用し,ソフト(Wiibrator)と,PC(WindowsXP)でWiiリモコンを作動させて振動を与え,被験者は座位で上腕および手背部を机上に置き,その机上にWiiリモコンを置いて表面を振動させた.振動強度の計測には加速度センサー(Keyence)を使用し,その振動出力をA/D変換(MacLab),PC(MacOSX)にて振動の強度振幅を記録した(図1).手背部全体に加える振動刺激の提示装置Wiibratorでは強度1~4まで4段階の強度の振動を発生できるが,振幅の変動は強度4の場合に最小で,振幅の変動は強度4の場合のFFTの結果,150Hzにピークが認められた.よって,Wiiリモコンの振動強度は4のままとし,包装用プラスチック緩衝材の使用枚数で強度を5段階に変化をさせた.1枚ごとに0.25Vずつ強度が増していき,4~5枚の間では0.75Vの変化を呈したのでこれを採用した.手続きとして,測定部位は左手第2指第3関節指腹部で,振動刺激提示部位は手背部,振動強度は6条件(無刺激,閾値の上下5段階;S0~S5)とし擬似ランダムな順で提示した.2点閾の測定法は恒常法にて, 2点閾測定間隔は6条件(1.5,2.0,2.5,3.0,3.5,4.0mm)を擬似ランダムな順で提示し,刺激時間は2sec,試行間間隔3sec,試行数10試行を6条件(2点間距離)で,1セッションは10試行×6条件=60試行,各振動強度について1セッションを実施,合計6セッション,セッション間隔は30secにて施行した.恒常法での結果の統計処理は,恒常法で得られたデータから最小自乗法により回帰直線を求め,50%正答率を示す2点間距離を求めた後,被験者間のベースラインを一定にするため,被験者ごとに無振動刺激条件(S0)での2点閾を基準(1.0)として数値を正規化した.正規化されたデータは6条件の振動強度ごとに中央値を算出して比較した.図1振動強度の違いによる周波数特性は,高速フーリエ変換(以下FFTと略す)をかけると波形分布に違いがなく強さは変化しているが周波数に変化はないことが分かった(図2).振動強度の違いによる周波数特性(高速フーリエ変換,FFT)結果12名の被験者ごとに振動刺激に対する閾値強度の振幅を計測した結果,閾値=1.4±0.16V(SEM)ということが分かった.その強度からプラスチック緩衝材の使用枚数で強度変化を上・下2段階に変化させた時の振動強度の平均値と標準誤差を求めた結果,S0を無刺激時として,振動閾値×0.6がS1の強度,振動閾値×0.7がS2の強度,振動閾値×1.0がS3の強度,振動閾値×1.5がS4の強度,振動閾値×1.6がS5の強度の振動刺激でありということがわかった(図3).図221