ブックタイトル第10回 大阪学術大会 論文集

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概要

第10回 大阪学術大会 論文集

動的安定を考えた載距突起テーピング~静的安定から動的安定~■結果載距突起テープ(動的安定)による固定を行った結果、ショパール関節捻挫、足関節捻挫、腓骨下端部骨折、第5中足骨近位端骨折などの症例で荷重時痛・動作時痛が早期に消失、歩行が早期に可能となり治癒期間が短縮された。図16■考察外傷は安静・固定(静的安定)が一般的である。動的安定を考えたテーピング後に荷重すると載距突起に重心圧がかかり距骨下関節が安定する。足関節の背屈が可能になり腓骨の機能を向上させ、結果、置性系の役割を果たすことができる。載距突起は人間の躯体全体の圧力の大部分を載距突起で支え、踵、全足部に力を分配し、そこで起立して歩いたり、駆けたり、跳んだり、蹴ったりする運動の原動力であり人間の直立二足歩行の機能の原点である。人間の起立歩行に対して足を十分に機能させるには載距突起部位を足の長軸に対して正確に90度に維持することが必須条件となっている。このことから載距突起テーピングは距骨を安定させる有効な方法だと示唆する。急性の外傷に対し静的固定では関節可動を制限するため固有感覚の機能低下が起こる。また足関節の底背屈制限は下肢筋によるミルキング機能(血液循環)を低下させ、組織修復が遅延するとの報告がある。本テーピング法は外傷後に起こる下腿部の機能的不安定性を解決できる一方法だと示唆する。図17■結語今回の症例により、動的安定固定を行うことにより治癒期間が著しく短縮されたと示唆した。動的安定を考えた下肢テーピングの優位性を今後論文として発表すれば柔道整復界に非常にプラスになると示唆する。発表のために症例を提供していただきました、日整公認私的研究会「柔整ひかり会」申東奎先生・中野武文先生・米村幸治先生、運営員の先生方、誠にありがとうございました。図18■参考文献1)坂井建雄・松村襄兒監訳『プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系』第1版第2刷20082)福林徹・蒲田和芳監修『足関節捻挫予防プログラムの科学的基礎』NAP 20103)『新しい靴と足の医学』4)小林匠『重度の足関節捻挫の受傷メカニズムとその対応』Sportsmedicine 2015 NO17117