ブックタイトル第10回 大阪学術大会 論文集
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第10回 大阪学術大会 論文集
柔整療養費支給対象範囲拡大のための基礎的研究山根裕介1)、阿部浩明1)2)、児玉香菜絵1)、高本考一1)、酒井重数1)、小野武年1)、西条寿夫1)富山大学大学院医学薬学研究部柔道整復学講座1)新潟柔整専門学校2)柔整対象疾患拡大に向けての具体的処方-亜急性損傷、柔整捻挫についての基礎的研究-■背景柔道整復対象疾患は、急性・亜急性の外傷性の骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷である。歴史的背景として、柔道整復術(接骨術)は、大正3年より審議の結果、1柔道家に接骨術を許しても世を毒するが如き憂いはない。2接骨は道場で門人の負傷に際し、適当な手当を施し治癒せしめてきた体験が発達して今日に至っている。3その行うところはマッサージであるから、骨折、脱臼に関しては医師が監督し、打撲、捻挫の治療法に必要な試験を設けて公認する。と、取り決められた。その内容としては、骨折・脱臼は医師の監督の下、打撲・捻挫は応急処置法の試験を行うことを条件に公認する決定がなされた。しかし、この際、柔道整復の業務範囲の取り決めはなされていない。日本の整形外科学黎明期における指導書『神中整形外科学第5版』昭和24年平成9年4月17日保険発第57号『療養費の支給基準』にて統一基準として、「療養費の支給対象となる負傷は、内因性の疾患を除き、急性または亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫であり、なお急性または亜急性の介達外力による筋、腱の断裂(いわゆる肉離れをいい、挫傷を伴う場合もある)については第5の3の(5)により算定して差し支えないこと。」と示された。このように、療養費の支給基準として2年に1度改訂され出版される。平成9年4月17日保険発第57号『療養費の支給基準』にて統一基準「療養費の支給対象となる負傷は、内因性の疾患を除き、急性または亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫であり、なお急性または亜急性の介達外力による筋、腱の断裂(いわゆる肉離れをいい、挫傷を伴う場合もある)については第5の3の(5)により算定して差し支えないこと。」図2施術範囲において、西洋医学医師の考える狭義の施術範囲と我々の考える伝統的な症状に対応した施術法としての施術範囲が異なる。これらのことが、急性・亜急性問題など柔整傷病名問題という大きな問題となっている。図1『神中整形外科学第5版』(昭和24年)においては、江戸時代より非医師である接骨師が脱臼骨折の治療のみならず、その他筋骨の疾病、クル病(骨軟化症)、彎脚(変形性関節症)、馬足(脳性麻痺、脳卒中、末梢神経麻痺による変形)、筋短縮、関節硬着(関節拘縮)に対して非観血療法により治療していると記されており、古来より柔道整復術(接骨術)とは、筋・骨・関節等運動器系疾患に対する保存療法であり、これらは医師・行政・国民の共通認識である。柔道整復師法においても業務範囲の取り決めはない。療養費取扱いのルールは、平成9年に取り交わされた。10