ブックタイトル第10回 大阪学術大会 論文集
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第10回 大阪学術大会 論文集
基礎代謝と体重と筋の割合が肥満に与える影響~柔整専門学校学生間の比較から~■結果(図4)運動前と運動後の体温の比較ではA群が最も体温上昇の程度が高いことが分かった。脈拍の運動前と運動後の変化の割合は、全群とも同じような傾向を示した。図2(図2)筋肉率はB群が一番低い傾向を示し、A群とC群はほぼ変わらない値を示した。体脂肪率はA群・B群・C群の順に低い傾向であった。図3(図3)消費カロリーはB群が一番低く、続いてA群がそれに続く結果で、C群は一番多い傾向を示した。基礎代謝は特に比較間に差がないがC群がわずかに高い傾向であった。■考察肥満と痩せにまつわる先行研究では、BMIのみでその判断を行うものや、判断後の肥満患者へのプログラムを示したもの、基礎疾患を持つ人に対してのアプローチが多く見られ、若年者の体組成からのアプローチによる「痩せ」・「肥満」の判断基準はあまり散見されなかった。BMIでの肥満と痩せの判定は、「BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))」であり、この計算式で求めることができる。要するに体重を身長で2回割った数値から判断することになるため、体型が全く同じ相似形であっても、身長が高ければBMIはそれに比例して増大し身長の低い人には甘い評価になる。またこの方法は、脂肪や筋肉などの体組成について考慮していないなどが指摘されているものの、それに反論する論文やBMIに変わる指標が見られない現状は、他にBMIを上回るほどの簡便で使いやすい指標が無いことを指していると考えられる。本実験での結果でも、痩せ型のA群が基礎代謝が最も低く、肥満型のC群が一番基礎代謝が高い傾向を示し、痩せ型より肥満型の本実験対照群が基礎代謝に影響を与える筋肉率が成人の標準値で、痩せやすい体質であることが分かった。それを裏づけるように、同じ運動をした際の消費カロリーもC群である肥満群が一番消費するカロリーの割合が高かった。BMIは手軽に肥満度を把握することができ先行研究が多く担保され疫学的なデータもそろっており信用度も高いとされ健康維持のための指数として幅広く使われている。しかし、本実験結果からも、体脂肪率が多い人でも、筋肉量が多い人でも同じような判定になってしまう傾向がある欠点が示せた。脂肪が多い人は肥満で間違いないが、筋肉質である本学生のような20歳前後の運動量の多い人の場合やスポーツ愛好家などにおいては、BMIから一概に肥満と考えることはできないことが分かった。図4■結語BMIは手軽に計測できる半面、身長と体重のみでの計算方法のため脂肪体質も筋肉体質も同じ数値になってしまい、また逆に細く見える体型でBMI数値に問題がなくても内臓脂肪による肥満の可能性があることが分08