ブックタイトル第9回 大阪学術大会論文集 2015

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概要

第9回 大阪学術大会論文集 2015

柔道整復師における顎関節症への適応~初期治療の重要性と限界点~<経過>歯科医師の診断、助言を受け、整骨院にて施術を行う。15日間:超音波(温療法)・低周波・手技(首・咀嚼筋へのアプローチ)、行動要因の除去。15日以降:下顎型スタビライゼーションスプリットの使用(図4)、行動要因の除去。下顎型スタビライゼーションスプリットの使用図4■結果15日後、主訴症状軽快。下顎型スタビライゼーションスプリットの使用後、下歯列の右側への移動軽減(図5)。行動要因の除去は現在継続中。■考察日本顎関節学会の分類(表1)と所見から損傷個所は複合的であった。(顎咀嚼関筋節障症害)1型(顎顎関関節節内症障)3型(顎精神関的節因症子に5よ型るもの)筋症状を主体とする。咀嚼筋間の調和の乱れ、筋スパズムがあると言われている。顎関節症の主体をなす病態で、円板の前内方転位、円板変性穿孔、線維化などが見られる。相反性クリック(Ⅲa型)円板の前方転位が復位するもの。クローズドロック(Ⅲb型)前方転位が復位しないもの。心因性顎関節症ともいわれ、精神心理的要因が主たるものである。表1初期症状への早期治療は柔道整復師の施術範囲で疼痛に対し有効であった。クローズドロック、顎関節雑音や強度の開閉制限、著明な疼痛、安静時痛などがあれば、専門機関を受診する。15日後、主訴症状が治まっていることから要因は多因子病因(表2)であると考えられる。多因子病因・ブラキシズム・ストレス・偏咀嚼(へんそしゃく)・顎や筋肉に負担をかける癖や習慣・悪い噛み合わせ・その他:大きく口を開け、顎や頸部、頭などを強く打つなど図5行動要因の除去・噛みしめや食いしばりを自覚し改善する・大開口するような行動(あくび、長話など)を改善する・ストレスを蓄積しない・食事に気をつける(左右どちらか一方で噛む癖の改善)・うつ伏せ寝、頬杖をつく癖、顎の下に電話をはさむ、猫背の姿勢などの癖や生活習慣の改善表205