ブックタイトル第9回 大阪学術大会論文集 2015

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概要

第9回 大阪学術大会論文集 2015

運動後のクールダウンに有効な方法の比較検証筋力測定筋力計結果図2■結果◆下腿周径下腿周径についてはCON1群、ice群、st群では運動前の周径から±1cmと安定した数値が結果として見られた。しかし全群の比較ではどの群も大きく有意差は出ることはなかった。(表1)下腿集計結果表1◆筋力計ほぼ全ての群で運動後から計測ごとに数値の上昇→減少→上昇の変化が見られた。筋力計はCON群では数値の増減が大きいことに対して介入群では数値の増減が少ない結果になった。また全ての群の中でice群が最も数値の増減が少なかった。(表2)表2■考察実験の結果、下腿周径においての数値では有意差は出なかったが、筋力計においての数値では各群とも数値に大きな増減が出ている。結果で述べた通り運動後の数値から計測ごとに、ほぼどの群でも上昇→減少→上昇となっているが、その中でもice群の数値の増減が運動前の数値と1日後、4日後、7日後の差が全ての群の中で一番増減が少ない結果となった。過去の論文ではDOMSに対しては様々な実験が行われており、その中でもアイシングの有用性を裏付けるものは少なくない。今回の実験結果からもice群は下腿周径、筋力計の数値が共に安定している結果が出ている。ということは本実験においてもアイシングがDOMSを抑制したため、このような結果が出たと考える。2まず下腿周径については柳沢らの論文)において運動後にice処置を行うことで患部の血流の増加、毛細血管での透過性の亢進および代謝産物浸透圧の変化による筋内水分量の上昇を抑制したとの報告がある。そのことからアイシングが運動後の筋損傷による浮腫を抑制したため、下腿周径において安定した結果が出たと考える。筋力では疲労筋にアイシングを処置することにより運動継続時間の延長が認められている報告がある3)ということは、アイシングを処置することにより筋の回復が起きたのではないかと推察される。また運動後のアイシングは筋損傷抑制に効果があると示唆されているもの4)やiceが筋肉の疲労軽減に有効であると記載されているものもある5)。以上のことをふまえて考えると、運動後にアイシングを処置することにより運動後に発生する筋損傷による疼痛や浮腫などを抑制することはもちろん、筋疲労も回復できると考える。そのことからアイシングはDOMSの軽減、予防に有効であり、更に筋のコンディション調整にも有効であると考え、それにより運動後のケアが充実し怪我の予防にもつながり運動継続に支障が出ないのではないかと考察できる。02