ブックタイトル第9回 大阪学術大会論文集 2015

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概要

第9回 大阪学術大会論文集 2015

肩関節障害に対する鎖骨へのアプローチ金田英貴、柳永善金田整骨院(金田英貴)/みらい鍼灸整骨院(柳永善)■キーワード鎖骨、長軸伸張、動的安定、柔整ひかり会■要旨5万年前から人間の上肢は、使い方を移動から作業へと変えていった。他の動物と違い上肢や下肢の動きに特徴があるのが人間の四肢である。特に上肢は自由な動きを獲得したが、同時に肩関節の構造に変化をもたらし不安定性が発生した。また、上肢・下肢の動きの連動が乏しくなり上肢のトラブルが多く発生するようになった。その一つに肩鎖関節障害がある。肩鎖関節障害はスポーツマンや肩を酷使する職業の人に多く見られる。肩鎖関節障害は胸郭出口症候群と症状が似ており、整形外科では胸郭出口症候群や頸椎ヘルニア・頸肩腕症候群と診断されるケースがほとんどである。みらい鍼灸整骨院・金田整骨院に来院された肩鎖関節障害を訴える患者さんに、鎖骨への施術を行った結果、可動域改善・症状改善が得られたので報告する。鎖骨は上肢全体の重さ(4kg)を体幹にぶら下げている状態である。そのため、軽微な外傷や外力ストレスでも靭帯が伸びやすく、関節への炎症が起こりやすいとされている。近年は、デスクワークが多く、より一層肩関節に負荷がかかる傾向にあると思われる。(写真1)(マウス症候群)。アメリカでは反復性ストレス障害(RSI)の一つとして取り扱っていると言われている。右鎖骨浮上マウス症候群■はじめに二足歩行に進化した人間の前肢は身体の移動に関する機能から解放された1)。人間のライフスタイルは、人間の進化から考えればかなり短期間で、身体を動かさないライフスタイルに変化してきた。(図1)変化したライフスタイル(狩猟採集・歩行・肉体労働→静的な労働:PC・車運転・TV等)は慢性痛(痛みや痺れ)・関節可動域制限をもたらすようになった。人類の進化写真1鎖骨は上肢をできるだけ体幹から遠ざける運動をするために使われる2)。このことから上肢の大きな動きがあって鎖骨(ワイヤー)の機能を発揮できると考えられる。鎖骨(ワイヤー)の機能を取り戻すために、鎖骨に対して長軸伸張(図2)をあたえることによって肩周囲の安定性が保たれ症状改善が起こるのではないかと考えた。アプローチ方法図1肩鎖関節障害はスポーツマンや肩を酷使する職業の人に多く見られる。肩鎖関節を安定させる組織は肩鎖靭帯・関節円板・烏口鎖骨靭帯・三角筋・僧帽筋である。図241