ブックタイトル第9回 大阪学術大会論文集 2015

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概要

第9回 大阪学術大会論文集 2015

国立富山大学医学部大学院柔道整復学講座における研究~柔整手技鎮痛効果の一報~効果を証明するため腰部痛に対するトリガーポイント圧迫刺激強度の違いが脳血行動態に及ぼす影響を近赤外分光法により検討している。■現在の研究内容現在私は、腰部痛の柔整手技鎮痛効果のエビデンス解明のため脳血行動態変化を近赤外分光法(near-infraredspectroscopy: NIRS)を用いて解析しており、興味深い結果が得られたので簡単に報告する。■研究の目的従来の研究により、腰部痛の増悪に、中枢神経系、とくに前頭前野が関与していることが示唆されているが、トリガーポイント圧迫の同部位への影響については不明である。そこで本研究は、腰部痛患者を用い、トリガーポイント圧迫の刺激強度の違いが、前頭前野の脳血行動態に及ぼす影響を近赤外分光法( near-infraredspectroscopy: NIRS)により解析した。■方法被験者は、腰部に限局した痛みを有する被験者を対象とした。被験者にNIRS測定ヘッドキャップを装着し、刺激部位として腰部トリガーポイントを一つ検出した。NIRS装置では、脳血行動態として、脳表中のOxy-Hb、deoxy-Hbおよびtotal-Hbの濃度変化を測定した。圧迫刺激強度の設定は、測定者の母指に圧センサーを装着し、トリガーポイントに持続的圧迫を加え、被験者の圧痛閾値である(弱)、耐え得る最大圧痛(強)時の圧力を計測し、その中間値を(中)とした。課題プロトコールは、圧迫前休息30秒、圧迫60秒、圧迫後休息30秒を1サイクルとし、ランダムに各刺激強度を2サイクル、計6サイクル行った。図1には、前頭前野における関心領域の設定を示している。左右の背外側前頭前野と左右中間の前背内側前頭前野の5つに設定した。(図1)前頭前野における関心領域の設定図126