ブックタイトル第9回 大阪学術大会論文集 2015

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概要

第9回 大阪学術大会論文集 2015

より良い指導を目指して田中翼笠井整骨院■キーワード指導、コミュニケーション■はじめに柔道整復師免許を取得して3年目の私が臨床の中で感じるのがコミュニケーションの重要性である。柔道整復師は人に対して施術するため、常にコミュニケーションをとらなければいけない。問診や施術などの日常業務内で特にコミュニケーション能力が必要なのが日常生活指導である。図2■日常生活指導とは院内で施術を受けた患者が、院外で日常生活を送る際に遭遇する、仕事や家事、スポーツや不良姿勢といった悪化要因に対応できるよう、患者本人に生活を変えてもらうのが日常生活指導である。(図1)■伝達の過程で発生しうるエラー図3図1指示を出すだけでなく、実際に患者が実践しなければ意味がないため、特に患者の行動を促すコミュニケーション能力が必要だと言える。では指示を患者が実践するにはどうすればいいのかを考えるために、まず情報がどのように人から人へ伝わるのかを考察する。■情報伝達情報伝達の仕組みは大まかに分けると3つの段階になる。(図2)発信者が情報を受信者に伝える1「発信」、情報を受け取った受信者が情報を自分の認識に変える2「理解」、その認識を使って、行動を起こす3「行動」という段階の3つである。では、この仕組みの中でどんなエラーが発生するのか。1「発信」の段階で発生するエラーは「そもそも情報が間違っている」「発信者が聞き取れない言語を使っている」といったものであるが、この論文では扱わないため省略する。そして2「理解」する段階で発生するエラーは情報の意味を誤って解釈する「誤認」というエラーである。誤認した情報を基にして行動することは症状を悪化させる要因になる可能性があり、危険なエラーであると言える。もう一つは、「発信」「理解」が正しく行われ、受信者が正しい認識を持っていても「行動」の段階で実際に「行動しない」というエラーである。では、この「誤認」と「行動しない」というエラーを詳しく考察する。07