ブックタイトル第8回 大阪学術大会論文集
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第8回 大阪学術大会論文集
Salter-Harris分類typeⅠ損傷を整復する理由樋口正宏東淀川支部/ヒグチ整骨院■キーワード固定除去時の外観、リモデリングとは医科での考え方、解剖学的整復位■はじめに巷に整骨院・接骨院が乱立し都市部では過当競争もピークを迎えているようで、街のあちらに整骨院が開院すればこちらで整骨院が閉院するといった状況になっている。「医は仁術」…。「医は算術」…。食べていけないので背に腹はかえられぬ…と言ったところであろうか。近年の業界の風潮は、「学問・技術の向上」より「経営重視」と感じる。確かに「飯の食えぬ者が何を言っても始まらない」。また、過去にはあまり見られなかった色々な業種の人達が業界の周りを取り囲んでいるように思える。学術レベルを高め高度な技術を提供すれば、多くの患者さんを集めることができるという信念のもと、私も開業22年目を迎えることができた。しかしこの数年、周囲に整骨院が激増し、決算書を見るとそれがボディーブローのように効いていることが分かる。正論を吐くと、柔道整復師は現在の枠組みの中では、外傷治療を学問的および技術的に究めることが使命であろう。けれども、自分自身が今日この日に新規開業する運命にあるとすれば、泥水をすすってでも生きていかねばならないのも事実に思える。ただ一つ言えるのは、身に付けた技術は小手先だけの経営スキルとは違い簡単に他人に真似されないものである。ある。固定除去時の良好な外観を最重要視している。■方法<症例>12歳男性<受傷機転>バスケットボール練習中、ボールと相手選手の膝との間に左第1指を挟み負傷。<初検までの経過>受傷翌日来院。<傷病名>左第1指末節骨骨端線Salter-Harris分類typeⅠ損傷<初検時局所所見>左第1指末節骨骨端線部腫脹(+)、限局痛(+)、皮下出血斑(+)、叩打痛(+)、軸圧痛(+)、屈曲変形軽度(+)。VAS7~8<初検時外観>(図1)左第1指末節骨基部に屈曲変形を認める。■目的小児の骨および骨端線損傷の治療の際、柔道整復師として大きな評価をされるのは固定除去時の外観である。当院では、「リモデリングとは医科での考え方である」くらいに思って治療にあたっている。例えば、整骨院で固定除去時に変形があり、患者の親に「リモデリングされるので心配ありません」と説明した場合、納得する親はどのくらいの割合であろうか。医科で治療を受ければ良かったと後悔する親、その足で医科に診察に行く親もいるのではなかろうか。これが、当院ではSalter-Harris分類typeⅠ損傷であっても、外観的に変形を認める場合に整復をする理由で図137