ブックタイトル第8回 大阪学術大会論文集
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第8回 大阪学術大会論文集
青壮年における驚愕反応が及ぼす快および不快情動の影響◆装置驚愕刺激として、聴覚刺激(白色雑音110~120dB、SPL、持続50ms)をスピーカーを用いて被験者に提示した。驚愕反応は(1)驚愕刺激によって引き起こされる被験者の身体的運動反応、および(2)瞬目反応によって記録した。被験者の身体的運動反応は被験者の座る椅子(または顎を固定する台)に取り付けた加速度センサー(Kyence, GA-245)によって検出し、A/D変換(MacLab/4e,AD Instruments,サンプリング速度1KHz)後、PC(Apple,Mac, Chart)上に記録した。瞬目反応は右目の外眼角上下1.5cmの位置に置いた2個の電極を用い、生体増幅器(日本光電、AB -651J)で増幅後(0.5~30Hz)、A/D変換にかけた。先行刺激としては色相の異なる3種類の色覚刺激(赤:R、緑:G、青:B、各10cd/m2, 100 ms, Cambridge ResearchSystems, VSG Three)を驚愕刺激に150ms先行させて、被験者の正面57 cmの位置に置いたCRTディスプレイ(SONY, G-420)上に提示した。また、コントロールとして、先行刺激を伴わない試行をランダムに入れて、驚愕刺激の単独効果を調べた。◆結果の処理先行刺激抑制効果の測定は先行刺激なしの驚愕刺激単独提示条件に加え、3種類の先行刺激を直前にはさんだ各条件をセッション内でランダムに提示するように実験スケジュールを組み、2回のセッションを行うことで各先行刺激による驚愕反応の減弱の有無をデータから算出した。音刺激の大きさは約110 dB、音刺激が提示される長さは50msec、直前の先行刺激は持続100msの視覚刺激を用いた。先行刺激は驚愕刺激に150msec先行させた。各先行刺激による驚愕反応の減弱度合い(%PPI)は、次の式で算出した。%PPI={1-(各先行刺激後の驚愕反応/先行刺激なしの驚愕反応)}×100(%)中性の情動価を持つ先行刺激に対する驚愕反応の抑制の程度(%PPI)に比較して、快および不快の情動価を持たせた先行刺激に対する驚愕反応の抑制の程度がどのように変化するのかを調べた。刺激提示のタイムチャート3種類のPrepulse図3図23種類の色覚先行刺激には、それぞれ異なる情動価(快、中性、不快)を持たせるため、プラス10点、0点、マイナス10点の異なる得点を割り当てた。3種の色に対する配点の割り振りは被験者ごとにランダムとした。1セッションは20試行からなり、試行間隔は3~7sec(平均5sec)のランダムとした。実験終了後、獲得した得点によって、報酬が与えられた。また、実験終了後、与えられた3種類の色覚先行刺激の提示が主観的にどの程度の情動価を持っていたのかをチェックするため、アンケートを実施した。◆実験手続き実験を始める前に実験の説明とPC画面上に提示される各色ごとに充てられた得点が書かれている同意書に同意ののち、氏名、年齢、性別の順に記入してもらった。次に両眼の視力(矯正視力)を計測する。被験者は椅子に座り眼前57cmに置かれたCRTディスプレイに面し、顎のせ台を使用して頭部を緩く固定した状態で座った。被験者からディスプレイまでの空間はフードで覆われており、被験者は正面にある1cm×1cmのフードの窓を通して、ディスプレイ中央部を両眼で注視するよう求めた。被験者に正または負の情動を引き起こすために、以下のように、色相の異なる3種の先行刺激(R,G,B)のいずれかがプラスの報酬、マイナスの報酬、そして残り1つは、31