ブックタイトル第8回 大阪学術大会論文集

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概要

第8回 大阪学術大会論文集

高校生の運動実施者と非実施者におけるレジリエンス尺度の比較と評価~運動内容に着目して~■考察本研究においても、レジリエンス得点は女子のほうが高いという結果になり、先行研究と同様の結果を示したことから、高校生にもその傾向が当てはまることを立証できた。また、楽しんでスポーツに取り組んでいる人のほうがレジリエンス得点が高いと判明したことから、学生のうちは厳しく指導するよりも、いかに楽しんでスポーツに取り組むのかに重点をおいて指導するほうが、社会に出てからの苦難や壁を乗り越える力を有効に育成できることが立証できた。先行研究とは異なり、定期的にスポーツを行っている人と行っていない人、集団競技であるのか個人競技であるのか、部活動であるのか部活動以外であるのか、自主トレーニングを行っている人と行っていない人、それぞれのレジリエンス得点の結果に有意差が認められなかった原因については、大学生と比べて高校生は、経験年数とスポーツ歴が乏しいことがこの結果につながったと考える。また、高校3年生の12月という時期は部活動を引退し受験勉強に専念している生徒が多数いることも原因の一つと考える。また、ご指導、ご協力頂きました大阪府柔道整復師会専門学校の杉本恵理先生、佐々木仁先生に深く感謝致します。■参考文献1)木村亜弥子,橋本泰子.スポーツ選手の感情コントロールとレジリエンスの研究.桜美林大学臨床心理学専攻,pp.1-38.2)上野耕平.「運動部活動への参加を通じたライフスキルに対する信念の形成と時間的展望の獲得」「体育学研究」vol.52,pp.49-60,2007.3)中村直美.中学生における他者への愛着とレジリエンスについての臨床心理学的研究4)山岸明子.大学生のレジリエンスと両親への態度・認知との関連-性差に着目して-.順天堂スポーツ健康科学研究第2巻第3号(通巻57号).pp.87-94,2010.■今後の課題先行研究で被験者となった大学生と比較した場合、高校生はスポーツ経験が未熟である。よって今後は運動実施者の年齢、スポーツ歴及び経験年数の長さがレジリエンスにどのような影響を与えるのかを検討していきたい。また、成人期、中年期、老年期と年齢を重ねることによって性差でレジリエンスにどのような影響を与えるのかを研究し、それぞれの年齢のレジリエンスの特性を明確にしていくことで、スポーツ選手への指導の一助にできればと考えている。さらに、競技者のメンタルヘルスの保持・増進、バーンアウト・ドロップアウトの防止に貢献することを目的に今後も研究を続けることで、スポーツ選手のケアに対して役立てるような研究ができればと考える。また、スポーツ以外の場面、例えば仕事や勉強などでも楽しんで取り組むことは、レジリエンスに影響を与えるのかを研究していき、生きる力と強い心の獲得方法を明確にしていきたい。■謝辞本研究に協力して頂きました神戸市立六甲アイランド高等学校の校長先生、先生方、生徒の皆様に心よりお礼申し上げます。29