ブックタイトル第8回 大阪学術大会論文集

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概要

第8回 大阪学術大会論文集

柔道形の投げ動作における初心者と有段者の動作解析秋山雄亮1)、伊丹健雄1)、杉本恵理2)、井上知保3)大阪府柔道整復師会専門学校教員助手1)教務主任2)オージェイ整骨院3)■キーワード三次元動作解析装置、膝関節屈曲角、重心とで、初心者でも安全に動作ができる方法は無いかと思い、実験を行った。■はじめにまずはじめに柔道の形についてだが、形とは「講道館柔道において、攻撃防御の理合いを習得するために行われるものである。」とある。理合いとは、道理や理由などを意味し、柔道では技における流れや形を意味している。形動作について講道館が発刊している教本やDVDがあるが、指導者によって動作の指導基準や観点にばらつきがあり統一されたものとはいい難い。先行研究では形動作について論じられているものは少なく、多くは得意技や受身について書かれているものが多く見受けられた。そこで本研究は、三次元動作解析装置にて柔道の形の動作を初心者と有段者とで比較検討することにした。図1■動作の選択柔道の形には様々な種類の形がある。投の形、固の形、極の形、柔の形、講道館護身術、五の形、古式の形、特にその中でも基本の形として相手を投げる投の形は初段の昇段項目に加えられている。投の形は、手技、腰技、足技、真捨身技、横捨身技の各3本ずつ計15本で構成されている。今回の研究では、この中から基本の手技に分類されながらも技に危険が伴うといわれている「肩車」を選んだ。動画の肩車では持ち上げた後、前に受を降ろしているが、本来は横に投げる。肩車は初心者が行うには非常に難易度が高く、危険な技である。そこで我々は初心者が行う動作と有段者が行う動作を比較検討するこ図2■作業仮説まず、私たちは最初に有段者と初心者との違いは何かと考えた。初心者同士の場合、受取ともに移動動作がバラバラで受取の呼吸が合っていない不安定な体勢で行い、取が受を肩へ移乗する動作で停止し持ち上げることが出来ない、もしくは無理に持ち上げようとし崩れることがある。有段者同士の場合は技の移動動作や呼吸が揃っており、お互いの調和やテンポが良く安定した動作で持ち上げていると考えた。そこでこの初心者と有段者の作業仮説を数値的に解析し評価するために、先行研究でも使用される再現性の高いキッセイ・コムテック社の三次元動作解析装置kineme tracerを使用し、関節の角度や重心位置、動作の違いを評価し検討を加えることにした。図3 -119