ブックタイトル第8回 大阪学術大会論文集

ページ
12/46

このページは 第8回 大阪学術大会論文集 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

第8回 大阪学術大会論文集

早期臨床実習が柔道整復教育に及ぼす影響~学生の職業的アイデンティティスコアの分析結果から~◆分析方法本研究で用いた2つの尺度はいずれもリッカート尺度である。そのため順序カテゴリーでの差の検定を可能にする手法であるRidit分析を用いた。回答として得られた得点分布を順序カテゴリーに分け、各カテゴリーのRidits値を算出し、その後、各学年の職業的アイデンティティ及び職業モデル特性に対するRidits値を用いた分散分析と、post hoc test(Scheffe法)で多重比較を行った。1本研究で用いた2つの尺度はリッカート尺度であるため、回答として得られた得点分布を順序カテゴリーに分け、Ridits値を用いて平均値を比較した。2各カテゴリーの絶対度数を、分散分析を行う前に各カテゴリーの分散が等しいかバーレット検定を行った。3一元配置分散分析を行い全体のばらつきを群間変動と誤差変動に分ける。4多重比較(Bonferroni法、Scheffe's F test)により、どの水準に差があるのか比較する。各学年の職業的アイデンティティ及び職業的モデル特性の分析、横断分析としての学年間の比較、縦断分析としての年度の比較についても、1~4の分析方法を用いた。■結果◆学年別・因子別アイデンティティスコアの分析藤井ら3)4)が抽出した職業的アイデンティティの4因子とは、第1因子「柔道整復師選択への自信」、第2因子「自分の柔道整復師観の確立」、第3因子「柔道整復師として必要とされることへの自負」、第4因子「社会貢献への志向」である。表1に示した質問紙との対応では、第1因子「柔道整復師選択への自信」への質問項目には、選択肢1. 2. 4. 5. 13が含まれ、第2因子「自分の柔道整復師観の確立」への質問項目には、選択肢3. 9. 11. 16. 18が含まれ、第3因子「柔道整復師として必要とされることへの自負」への質問項目には、選択肢12. 15.17. 19. 20が含まれ、第4因子「社会貢献への志向」への質問項目には、選択肢6. 7. 8.10.14が含まれる。<結果>在学生では、すべての因子でスコアが高値を示したのは3年生であった。また因子別では、第4因子である「社会貢献への志向」が平均的に高値となり、次に第2因子である「自分の柔道整復師観の確立」が高値となった。学年別では、因子間の平均値、標準偏差からも、また、1年生と2年生のアイデンティティスコアはほとんど変わらない結果となった。(図1)14121086420109876543210職業的アイデンティティスコアの平均Ridits値(標準偏差)1年生2年生3年生第1因子第2因子第3因子第4因子平成24年度因子別アイデンティティの比較1年生2年生3年生図1◆平成25年度在学生の職業的アイデンティティスコアの縦断的分析<結果1>平成24年度在学生では、いずれの因子でも職業的アイデンティティスコアが一番高い値を示したのが1年生であり、平成25年度在学生では、すべての因子でスコアが高値を示したのは3年生であった。また因子別では、平成24年度在学生では全学年共に第4因子の「社会貢献への志向」が一番高い値を示し、平成25年度在学生では1・3年生では同じ傾向をしめしたものの、2年生がその例外となった。平成24年度在学生の学年別では、2・3年生で「柔道整復師として必要とされることへの自負」が一番低い結果となり、1年生では、「柔道整復師選択への自信」が一番低い結果となっていたが、平成25年度在学生では、1年生では「柔道整復師として必要とされることへの自負」が一番低い結果となり、2年生では「社会貢献への志向」が低い結果に、3年生では「柔道整復師として必要とされることへの自負」が一番低い結果となった。(図2 - 1、図2-2)第1因子第2因子第3因子第4因子図2-109